村長行政報告要旨 議会12月定例会議 2021年度
1 新型コロナウイルス感染症関連について
秋田県内では11月末で新規感染者ゼロが18日連続となるなど感染者数が減少しており、5段階警戒レベルは、現在、レベル2となっております。こうした状況から、本村においては、新春恒例の消防団出初式を通常どおり来年1月4日に、延期しておりました成人式を1月9日に挙行する予定としております。
政府においては、10月下旬から全国の感染者が減少していることから、11月19日に感染予防対策として求めてきた、飲食やイベントなどの行動制限の緩和を正式に決定しております。しかしながら、国内でも新しい変異株「オミクロン株」の感染が確認されたことにより、11月30日から外国人の新規入国制限を全世界に拡大するなど警戒を強めております。また、新たな経済支援として、子育て世帯を支援する「子育て世帯への臨時特別給付金支給事業」を実施することとしており、12月招集予定の臨時国会において審議される予定となっております。内容は、18歳以下を対象として10万円相当の給付を行うものであり、うち5万円は現金の年内給付を目指しており、本村でも準備を進めております。本定例会議に関連する予算を計上しておりますので、よろしくお願いいたします。
一方、村の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金事業は順調に進ちょくしておりますが、8月から実施している応援クーポン券事業の利用率が、11月末現在で69%にとどまっていることから、今後、12月臨時会議で御可決いただいた宿泊助成事業とともに利用率の向上に取り組んでまいります。
また、ワクチンの接種状況ですが、12歳以上で2回の接種を終えた割合は、11月29日現在で85.7%となっております。3回目の追加接種については、18歳以上の村民を対象に2月から開始できるよう準備を進めており、5歳から11歳までのワクチン接種につきましても、国の方針が決定次第、速やかに対応してまいります。
冒頭で申し上げましたが、現在の感染状況は落ち着いているものの新たな変異株が確認されるなど、予断を許さない状況にあることを十分認識し、県及び関係団体と連携を密にし、感染予防に万全の態勢で臨んでまいります。
2 令和4年度予算編成について
予算編成方針は11月30日付けで各所属長へ通知したところであります。次年度は首長選挙に当たるため、一般的には骨格予算にすべきかと思われますが、観光施設の大規模改修、移住定住対策や子育て支援など継続性のある事業も多いことから、新規事業を除く骨格的な予算を編成する方針としております。
3 東成瀬テックソリューションズ株式会社について
村内初のIT産業としてシステム開発とコンサルティングを主な事業とする東成瀬テックソリューションズ株式会社が10月5日に設立し、事業所を山村開発センターに設置しております。
11月1日から公式ホームページで従業員を募集し、首都圏から3名の採用を決定し、1月から業務を開始するとの報告を受けております。
同社は大都市圏からの移住定住を進め、人口減少対策も一つの目的としておりますことから、大いに期待しているところであります。村としても住宅環境整備など必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
4 ふるさと納税について
11月末現在で1470件990万円の寄附がありました。前年度同期に対し、件数は444件増加しましたが、金額は136万円の減となっております。今後、年末年始に向け、引き続き返礼品の充実を図りながら、村内農産物等の消費拡大と村のPRに努めてまいります。
5 第三セクターについて
栗駒山荘は、11月3日まで無事営業することができました。
新型コロナウイルス感染症の影響により、日帰り入浴やレストランの利用者は減少しておりますが、ホテルブラン・栗駒山荘ともに村宿泊助成事業や「あきた県民割キャンペーン」の効果により、宿泊利用者は増加しており、昨年度を上回る売上げとなっております。
ジュネス栗駒スキー場は開場30周年を迎える年に当たりますが、新型コロナウイルス感染症の影響などから経営環境は大変厳しい状況にあります。
しかしながら、県内スキー場の活性化を図るために、秋田県が12月1日から実施している「秋田県プレミアムスキーチケット」や村宿泊助成事業など、各種支援策に機敏に対応した経営努力と更なる感染防止対策の徹底に努めてまいります。
6 低所得世帯灯油購入費助成事業について
原油価格の高騰により石油製品の小売価格が上昇していることから、低所得世帯の負担軽減を図るため、冬期の暖房に必要な灯油購入費用の一部を助成することといたしました。助成額を1世帯1万円とする関連予算を本定例会議に計上しておりますので、よろしくお願いいたします。
7 交通死亡事故ゼロ2000日達成について
村は10月24日で「交通死亡事故抑止継続2000日」を達成し、11月10日に秋田県知事と秋田県警察本部長から表彰を受けました。
今後も村民及び関係機関の御協力を得ながら、記録が継続されるよう引き続き努めてまいります。
8 簡易水道事業について
事業は順調に進ちょくしており、今年度予定した工事はすべて完了しております。工事期間中は、交通規制等により地域住民の皆様に大変御迷惑をおかけしました。引き続き、中部地区の早期完成に努めてまいりますので、御理解と御協力をお願いいたします。
9 水稲の作況について
10月25日に国が発表した秋田県の作況指数は「102」で「やや良」となりました。
JAこまちの報告では、出荷契約数量に対して出荷は109.6%、一等米比率は94.1%となり、昨年に引き続き高品質で収穫量の多い出来秋となりました。
一方で、全国的な米余りの影響により米価が下落しており、引き続き生産の目安を参考にした生産調整を推進していくとともに、飼料用米や戦略作物への作付け転換を推進していきたいと思います。
なお、今年度は飼料用米等の増産が進んだことから、本村においては飼料用米の生産が前年比約1.5倍の増産となったため、村単独の作付転換加算交付金の関連予算を本定例会議に計上しておりますので、よろしくお願いいたします。
10 青果物等の状況について
指定振興作物の生産状況ですが、夏秋トマトは梅雨入り後の低温や日照不足による一時的な生育遅延が見られ、梅雨明け後の猛暑などにより出荷量の減少が心配されましたが、総出荷量は昨年度を若干下回ったものの高単価に支えられ、販売額は前年とほぼ同額となっております。
リンドウについては、天候不良の影響により品質の低下、生育のばらつきが見られ、また、シーズンを通して需要期よりも早めの出荷となったことから、収量は前年の74%、販売額も86%で前年を下回る状況でありました。
そのほかの作物では、イチゴは出荷量・販売金額ともに前年を上回りましたが、アスパラ、枝豆、いんげんは天候不良の影響で出荷量・販売金額ともに前年を下回りました。
菌床シイタケについては、これから本格的な出荷を迎えますが、相場は比較的安定しているとのことですので、良好な生育と販売金額の上昇に期待しております。
11 産業祭・種苗交換会について
去る10月22日「第54回東成瀬村産業祭」を開催しております。
今年度は、新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、一般公開を行わず農産物品評会のみの開催となりました。その影響から出品数も大きく減少しましたが、出品された農林産物は優秀なものばかりでした。
また、10月29日から11月4日まで能代市で開催された「第144回秋田県種苗交換会」において、なるせ加工研究会が出品した「たれドレッ」が農林水産大臣賞を受賞したほか、2名が入賞されました。これは、村の農産物及び加工技術が高く評価されたものであり、今後も大いに期待するところであります。
12 有害鳥獣対策について
今年の村内における有害鳥獣の目撃情報は、ツキノワグマ27件、イノシシ11件、ニホンジカ1件と村内全域で目撃されております。特に民家付近におけるツキノワグマの足跡等の目撃が多く、罠の設置回数は延べ10回、捕獲頭数は5頭でした。イノシシのくくり罠は延べ4回設置しましたが、捕獲には至りませんでした。
引き続き出没等の警戒を呼びかけるとともに、県や猟友会等の関係者と連携を深め、被害対策に努めてまいります。
13 建設事業関連について
村の建設事業については、順調に進ちょくしております。社会資本整備総合交付金事業の大規模工事はすべて発注済みとなっており、ほとんどの工事は降雪前に完了しております。また、地区要望に基づく事業については、現在、測量設計業務を進めており、次年度以降速やかに工事着手できるように準備を進めております。
県関係の事業については、国道5工事、県道3工事が発注され、繰越し工事1件を除き降雪前に完了しております。また、懸案事項として県に整備を要望していた国道342号川通地区の道路改良については、現在、線形改良を行うための地形・路線測量及び詳細設計業務が実施されております。
14 冬期交通対策について
田子内地区において11月23日に初雪が観測され、翌日24日には積雪及び降雪が記録されました。初雪は昨年よりも20日程度遅く、11月24日に気象庁から発表された3か月予報によりますと、東北日本海側の降雪量はほぼ平年並みとされています。しかし、昨年度の豪雪やここ数年の大雪傾向を踏まえると決して油断できない状況であり、冬本番を迎え、除雪体制には万全を期し、村民の安全・安心の確保に努めてまいります。
15 ジュネス栗駒カントリーパークについて
カントリーパークの今シーズンの営業は11月9日に終了し、パークゴルフ場の利用者数は6612人となっております。
昨年は、新型コロナウイルス感染症による移動制限等で各種大会がほぼ中止となりましたが、本年は移動制限が緩和されたことやワクチン接種が進んだことにより、前年度と比較して836人の増加となりました。
16 成瀬ダム事業関連について
ダム本体工事については、堤体打設量の総量が約115万2000㎥となり、総打設数量に対して約24%の進ちょく率となっております。また、令和元年10月の初打設以来、本年10月15日には累計打設量が100万㎥に達したことから、10月21日には堤体JVの主催により記念式典が執り行われました。
成瀬ダム建設の従事者数は、昨年のピークが9月で765名でしたが、本年のピークも同月で842名となっています。また、海外からの従事者も約100名となり、主にスリランカ、ベトナムや中国などが出身国となっております。
ダムの現場見学者数については、新型コロナウイルス感染症拡大により、9月までは秋田県内に限定したため、少なく推移しておりましたが、10月以降は緊急事態宣言等が解除され、その後は徐々に増えております。
ダム事務所等が主催した現場見学会に約2200名、鹿島建設による「KAJIMA DX LABO(カジマ ディーエックス ラボ)」への直接見学者は約1900名となっており、いずれも大変好評を頂いております。