村長行政報告要旨 議会9月定例会議 2021年度
1 新型コロナウイルス感染症関連について
新型コロナウイルスの感染が大都市圏を中心に全国的な拡大を続けており、政府においては、緊急事態宣言・まん延防止等重点措置対象地域の追加や期間延長を行うなど感染拡大防止に向けた対策を講じております。
秋田県内においても、お盆の時期となった8月は集団感染が相次いで報告され、同月24日には、一日の感染者数として最多の50人に達し、県の病床確保計画に基づく6段階フェーズを最も高い6まで初めて引き上げ、県内病床を273床に拡大するなど、今後の感染拡大に備えた態勢づくりに取り組んでおります。
本村においては、成人式を来年1月に更に延期、9月の敬老会は中止とし、同月中に各地区地域づくり団体の協力を得て、72歳以上の対象者全員へ、祝い状と祝い品をお届けする予定となっております。
村主催以外では、秋田25市町村対抗駅伝「ふるさとあきたラン!」やジュネスカップ・パークゴルフ東北選手権大会など、恒例のスポーツイベントも2年連続の中止、首都圏なるせ会通常総会も事務局から中止との報告を受けております。
ワクチンの接種状況は、65歳以上の接種率が8月29日現在で92.6%となっております。現在、64歳以下の方に対する接種を行っており、1回目の接種を終えた方は、同日現在で912人となっており、9月12日までには2回目の接種を終える予定としております。
今後、9月下旬以降に中学生や未接種の方を対象に新たな接種日を設け、10月中には接種を終えたいと考えております。また、成瀬ダム建設工事の従事者等につきましては、各JVにおいて職域接種を行うとの報告を受けております。大成JVでは、8月19日から接種を始めており、鹿島JVでは、9月11日から「まるごと自然館」において接種を行う予定とのことであります。
一方、感染防止と経済浮揚対策として、当初予算及び6月定例会議で可決いただいた新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金事業については、計画した事業を順調に進めております。
感染症の影響を受けやすい村内宿泊事業者への支援策として4月から7月まで実施した宿泊助成事業では、宿泊件数が6326件で2492万円の利用実績となっております。うち、5967件、2349万円が秋田栗駒リゾート株式会社で、全体の94%を占めております。令和2年度における同社の決算は悪化が予想されましたが、国県をはじめとするこうした助成事業と経営努力により、経常収益は減収となりましたが、その幅を137万円程度にとどめた内容が報告されております。
また、8月から実施している応援クーポン事業は、8月20日現在で38店舗が利用対象店舗として登録を済ませております。
今後も集団感染はいつどこから発生するか分からないことを十分認識し、県及び関係団体と連携を密にし、感染予防に万全の態勢で臨んでまいります。
2 財政状況について
令和2年度の普通会計決算は形式収支、実質収支は黒字となりましたが、単年度収支は4471万円、基金収支を含めた実質単年度収支は8346万円の4年連続の赤字となり、厳しい財政状況が続いております。
財政健全化法に基づく健全化判断比率の状況ですが、実質公債費比率は、
15.7%、将来負担比率は46.6%で前年度に対し、それぞれ2.1ポイント、9.4ポイント上昇しております。また、重要指標となる経常収支比率は100.4%で前年度に対し1.0ポイント改善したものの、2年連続で100%の大台を超えており、財政の硬直化が続いております。
また、今年度の普通交付税が決定し、補正予算に計上しております。前年度に対し10.9%増の18億8042万円、1億8455万円の大幅な増額となりました。積算の測定単位となる令和2年国勢調査人口が成瀬ダム建設事業の影響により、平成27年の2610人に対し、97人、3.7%増の2707人となったことが主な要因と分析しております。
今後5年間は、今年度の交付額がベースとなることから、財政状況は一時的に好転すると思われますが、公共施設の老朽化など財政需要は常に増加傾向にあり、楽観視できる規模ではありません。
現在、ここ数年の大型起債事業にかかる地方債元利償還額がピークを迎えようとしており、昨年度は県貸付金の繰上償還を実施するなど、財政健全化に向けた対策を講じておりますが、今後も繰上償還の実施、村単独事業などを中心に経費全般に一層の見直しを行い、健全な財政運営に向けて努力してまいります。
3 新たな過疎発展計画について
本年4月1日に「過疎地域の持続的発展支援に関する特別措置法」が施行され、県が定める方針に基づき、市町村においても発展計画を策定することとなっております。
本村においても地域における持続可能な社会の形成及び地域資源等を活用した地域活力のさらなる向上を図るため、令和3年度から令和7年度までの5か年計画である「過疎地域持続的発展計画」を策定し、本定例会議へ提出しておりますのでよろしく御審議賜りたいと存じます。
なお、「総合計画」と「地方創生総合戦略」につきましては、今後住民アンケート等を行い、12月の策定を予定しております。
4 地域おこし協力隊について
地域おこし協力隊については、和泉、小出隊員の2名から退職の申出があり、これを受理し、8月20日付けで退任しております。また、既に任用が内定し、着任を待っていた1名の方についても、内定を取り消し、次年度以降の募集への応募を促したところです。これにより、今後は6名での活動となりますが、引き続き御支援と御理解をお願いいたします。
なお、今後は募集・運営業務を委託するなど、新たな手法も取り入れて実施したいと考えており、今回の補正予算に関連経費を計上しております。
5 地域活性化起業人派遣協定について
本協定に関連する予算は6月定例会議で可決され、事業の概略も説明しておりますが、7月2日に株式会社フリューゲル(代表取締役 近藤純光)と総務省の地域活性化起業人(企業人材派遣制度)を活用した「地域活性化起業人の派遣に関する協定」を締結しております。
同日に1名の社員が派遣され、企画課に配属しております。派遣期間は3年で、1年目は村のホームページを刷新する予定となっており、来年5月公開に向けたスケジュールと効果測定を行うための調査方法が示され、村内住民からの聞き取り調査や職員に対する庁内調査と現ホームページから閲覧者に対する満足度アンケート調査を実施しております。
6 東成瀬テックソリューションズ(仮称)について
これまで地域活性化対策として企業誘致や起業支援、人口減少対策として移住・定住など諸事業を推進してきたところであります。
こうした中、今年度着任した地域おこし協力隊の近藤氏と懇談し、IT分野でも人材不足が大きな課題であることをお聴きし、双方の課題を解決できる方法はないか模索しておりましたところ、近藤氏より村内にIT関連事業の本社を設立し、20代から30代を中心に大都市圏から従業員を雇用し、移住を図る提案が示されました。
設立予定の会社は、名称が「東成瀬テックソリューションズ株式会社(仮称)」で、代表は近藤氏、資本金は500万円、事業内容はシステム開発とコンサルティングで、将来的に従業員数は100名を予定しているとの説明がありました。
村としましても、今後ますます成長が見込まれるIT産業での雇用創出であり、人口の社会減対策としても効果が期待できるとの判断から、第三セクターとして支援をすべく、10%の出資金を補正予算に計上しておりますので御理解の程、よろしくお願いいたします。
7 栗駒山荘大規模改修事業について
4月下旬から実施している栗駒山荘のサッシや外壁等の改修工事は8月に完了しております。機械設備改修工事は11月までの工期となっておりますが、営業に支障のないよう進めてまいります。また、令和4年度の改修工事にかかる実施設計費を補正予算に計上しておりますのでよろしくお願いいたします。
これから紅葉シーズンの繁忙期を迎えます。第三セクター社員皆さんの営業努力と売上げの向上に期待したいと思います。
8 ふるさと納税について
ふるさと納税は、7月末現在で682件、431万1000円となっております。前年同時期に比べ180件増加しておりますが、金額は80万ほどの減額となっております。
今後も返礼品を充実し、納税の促進に努めてまいります。
9 簡易水道事業について
地域住民皆様の御理解と御協力により、事業は順調に進ちょくしております。今年度予定した工事はすべて発注しており、主に幹線道路への水道管布設工事を実施しております。今後は、真戸橋への水道管添架工事を進め、完成後には一部区域において新たな水道施設からの水道水を供給できる予定となっております。
工事期間中は、交通規制などで御迷惑をおかけしますが、工期内の完成に向け努めてまいります。
10 水稲の作柄状況について
7月は30℃を超える真夏日が続いたため、稲の生育も平年より早まりました。草丈はやや長めで、茎数や葉色は平年並みに推移しており、順調な生育状況にあると考えております。今後の天候にもよりますが、今年度は出穂期が早まったため、平年より稲刈りが早くなるものと思われます。本格的な収穫期を迎え、農作業の安全確保に努めていただき、よりよい出来秋となるよう期待しているところであります。
一方、全国的な米の需要減少に伴う在庫の増加により米価の下落が懸念されますが、今後も農業者が需要と供給のバランスを考えた取組を円滑に進められるよう、需給の見通し等の情報提供及び必要な支援を講じてまいります。
11 村産業祭について
村産業祭は、現在のところ、10月22日と23日の2日間の日程で開催する方向で進めておりますが、新型コロナウイルス感染症予防対策として、内容を縮小して実施する予定としており、詳細については、9月中に開催される実行委員会において決定することとなります。
12 有害鳥獣対策について
8月末までに寄せられている有害鳥獣の目撃情報は、ツキノワグマ20件、イノシシ7件、ニホンジカ1件となっています。目撃件数自体は前年の同時期に比べ少ないものの、広範囲にわたって田のあぜを掘られるなどイノシシによる被害が拡大しております。
目撃情報をもとに、クマには「箱罠」、イノシシには「くくり罠」を設置し対策をとっており、8月に谷地地区でツキノワグマ2頭を捕獲しております。
また、新たな対策として、住民から寄せられた目撃情報を速やかに村ホームページに掲載し、住民への注意喚起を図っております。
13 建設事業関連について
村の建設事業につきましては、順調に進ちょくしております。社会資本整備総合交付金事業における大規模工事はすべて発注しており、降雪前の完成を目指し進めております。また、地区要望等に関する事業については、測量設計業務を計画的に発注しており、一部事業については年度内の工事着手を目指しております。
県発注事業については、国道工事5件と県道工事3件が実施されており、いずれも順調に進ちょくしているようです。
14 ジュネス栗駒カントリーパークについて
カントリーパークにつきましては、パークゴルフ場の利用者数が8月25日現在で3507人となり、前年同期と比較し5%の増で、6月から7月にかけ天候に恵まれたことが主な要因と考えております。
15 成瀬ダム事業関連について
現在、ダム本体工事は、基礎掘削や堤体打設を行っており、7月末時点における進ちょく率は、基礎掘削は99%、堤体打設は保護コンクリートやCSG等の打設を進め15%程度の状況です。また、国道342号の付替工事である2号橋は、上部工を施工しており71%程度の進ちょく率となっております。
成瀬ダム現場見学会については、引き続きコロナ禍での開催となるため、感染状況を注視しながら計画してまいります。