村長行政報告要旨 議会3月定例会議 2021年度
施政方針
公約とした基本政策の方向性及び施政方針について
「暮らしやすい生活環境づくり」について
中部地区簡易水道の整備を完成させ、地区全域での供用を開始します。また、宮田上林線の道路改良工事など国の交付金を活用した事業や、地区要望を受けた村単独の道路改良工事を進め、生活インフラの整備充実に努めてまいります。
「伸びやかな人材育成と文化の継承」について
小中学校におけるGIGAスクール事業を推進し、教育環境の向上に努めてまいります。
また、保育料や予防接種などへの助成を行い、子育て世帯の負担軽減を図るほか、子育て包括支援センターをはじめとする児童福祉施設における適切なサービス提供を行ってまいります。
「産業振興と交流事業の促進」について
引き続き「特定地域づくり事業協同組合」への支援を行ってまいります。また、ミニライスセンターの設備更新を行うほか、令和4年産米に係る苗や種籾の購入費用を助成することとしております。
更に、地域おこし協力隊の任用を積極的に進め、移住、定着を図るために新たな住宅の整備を予定しているほか、隊員の任期終了後に村内で起業しようとする方に、必要となる経費を助成することとしております。
栗駒山荘につきましては、昨年度に引き続き外壁やサッシの改修を行うほか、熱源等機械設備の更新を行うこととしております。(利用者の皆様には御不便をおかけしますが、御理解のほどよろしくお願いします。)
村財政について
令和4年度政府予算案においては、国の令和3年度補正予算と合わせ、新型コロナ対策に万全を期しつつ、「成長と分配の好循環」による「新しい資本主義の実現」を図るため、107兆円を超える過去最大の予算となっております。
成長戦略としては、デジタル田園都市国家構想の実現と科学技術の進行、分配戦略としては、看護・介護・保育職員の給与引上げ、デジタルなど成長分野における人材育成への支援、そして感染拡大防止に向けた医療体制の確保とワクチン接種体制の整備などの施策が挙げられております。
一方、地方財政対策では、社会保障関係費の増加が見込まれる中、地方公共団体が行政サービスを安定的に提供しつつ、地域社会のデジタル化や公共施設の脱炭素化などの重要課題に取り組めるよう、地方一般財源総額では62兆円が計上されております。
秋田県の令和4年度当初予算案においては、「新秋田元気創造プラン」の初年度として、賃金水準の向上、カーボンニュートラルへの挑戦、デジタル化の推進、若者・女性の活躍の推進について、積極的・集中的に取り組むこととなっております。
地方税収は増加しているとはいえ、原油価格高騰に係るトリガー条項が発動された場合の地方財政への影響、少子高齢化やデジタル化の推進、そして新型コロナウイルスへの対応など、村政が直面する課題は様々あります。
地方を取り巻く社会情勢は依然として厳しいものがありますが、自立した村としては、補助事業等を活用するなど引き続き財源捻出に取り組み、一方では歳出の見直しを進めつつ、村民生活を向上させるための事業は着実に実施していく必要があると考えております。
行政報告
1 令和4年度予算について
令和4年度一般会計予算は、村長選挙を控え骨格的な予算と位置付けましたが、継続性を維持する普通建設事業を盛り込んだことから、前年度に対し、7,100万円、2.0%増の35億4,600万円となりました。
歳入における普通交付税ですが、政府の地方財政計画では、これまでの特別経費に加え、昨年度に引き続き「地域デジタル社会推進費」が加算される予定で、予算額も前年度に対し、6,153億円、3.5%増の伸び率を示しております。村の予算額は、本年度交付額の19億3,996万円と同額程度との試算でしたが、予算額は18億円を計上しております。
歳出では、引き続き過疎債を活用したソフト事業を継続しつつ、新型コロナウイルス感染症対策として、施設整備・経済対策分に3,521万円、ワクチン接種分に1,060万円を計上しております。
一方、主なハード事業としては、豊かな里山林整備事業などの林業振興事業2,550万円、栗駒山荘大規模改修事業1億5,920万円、道路新設改良を主とする社会資本整備総合交付金事業4,400万円、橋りょう修繕事業5,470万円、消火栓整備など消防施設整備事業に3,600万円を計上しております。
特別会計では、簡易水道事業の中部地区施設整備として3億3,275万円を計上しております。
ここ数年のハード事業の起債償還が重なるピーク期にあり、厳しい財政状況にありますが、繰上償還による財政の健全化など一定の効果も現れており、今後も健全な財政運営に向け、的確に対応してまいります。
2 豪雪対策について
今冬は、1月7日に雪害警戒部、1月27日から2月8日にかけての急激かつ断続的な降雪により、31日には雪害対策部、更に2月7日には豪雪対策本部をそれぞれ設置し、部落長をはじめとする関係者及び関係機関とともに雪害対策に当たっております。
本格的な降雪は終わりとなりますが、融雪期に向けて、引き続き注意喚起を徹底しながら、必要な対策を講じてまいります。
3 新型コロナウイルス感染症対策について
ワクチンの接種状況につきましては、2月末現在で1回目接種が92.9%、2回目接種が92.7%、3回目接種が42.3%となっております。
3回目接種につきましては、先にも述べましたが、国の指導に基づいて接種計画が当初より早まり、2回目接種終了後6か月経過で計画的に進めており、65歳以上の方への接種はほぼ終了しております。
今後も計画的に進めていくことになりますが、感染が拡大傾向にありますので多くの方がワクチン接種を受けられるよう啓発等に努めてまいります。
次に経済対策として実施した事業の状況です。村内事業者への経済支援として昨年の8月から6か月の期間で実施した村民1人1万円の応援クーポン券事業は、使用率が97%となりました。また、12月から2月まで実施した宿泊助成事業は、宿泊件数が2,273件で900万円の利用実績となっております。
生活支援となる給付金事業の状況は、子育て世帯への臨時特別給付金支給事業は所得制限を撤廃した村単独分を含め全世帯へ支給を完了しております。また、住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金事業は2月末現在で事前に対象と見込んだ286世帯のうち263世帯に対し支給を終えております。
また、国の令和3年度補正予算における新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金として6,000万円余りが交付される見込みとなっております。これを受け、当面の事業として、宿泊助成事業と小中学校・村民体育館の感染防止対策工事の経費を令和4年度当初予算に計上しております。これ以外の事業については、今後庁内で協議し、補正予算で対応する予定としておりますが、国から内示された補正の内容は、交付金の9割程度が経済対策となっており、主に村内経済を下支えする事業に活用したいと考えております。
現在の感染状況が高止まり傾向にあることや近隣市町村でのクラスター感染の報告例もあることを十分認識し、県及び関係団体と連携を密にし、感染予防に万全の態勢で臨んでまいります。
4 ふるさと納税について
寄附額は、令和4年2月末現在で2,310件1,718万円となっており、前年度に対し、件数で743件、金額で44万円の増となっております。
年度末に向け、引き続き周知を図り、納税増額に向け努めてまいります。
5 地域おこし協力隊について
1月から3月1日まで、新たに7名が着任し、IT産業推進やメディアでのPR活動など地域創生事業を始めております。
また、既に着任している6名の協力隊は、来年度も継続して任務に当たることとなっております。
6 第三セクターについて
第三セクターの運営状況は、12月から開始した村宿泊助成事業によりホテルブランは、宿泊者が前年度並みとなっており、一定の効果があったものの、3月は例年実施されている学校関連の謝恩会や送別会などの予約も全くない状況が続いているとのことです。スキー場については、今シーズンはオープン当初から積雪は十分であったものの、新型コロナウイルス感染拡大により学校のスキー教室やスキー大会の中止、さらには悪天候などにより入り込み者・売上げとも前年度に比べ2割程度落ち込んでいる状況との報告を受けております。
大変厳しい状況ではありますが、社員一丸となって売上げ向上と経費節減に努めたいと考えております。
7 低所得世帯灯油購入費助成事業について
原油価格の高騰を受け、村では低所得世帯の負担軽減を図ることを目的に、冬期の暖房に必要な灯油購入費用の一部を助成することとし、1世帯1万円の購入券を12月に交付しました。購入券は2月末までの使用期限で利用世帯率は95.7%となっております。
8 簡易水道事業について
簡易水道事業は順調に進ちょくしております。来年度は、中部地区の施設整備において、主に岩井川、入道地区内への配水管布設工事や入道配水池の築造に着手し、早期完成を目指してまいります。
工事期間中は、交通規制等により御迷惑をおかけすることになりますが、引き続き、御理解と御協力をお願いいたします。
9 令和4年産米の生産の目安について
村では農業者自らの経営判断による需要に応じた生産・販売に取り組むことができるよう「生産の目安」を設定しています。
1月7日に開催した農業再生協議会総会において、令和4年産米の生産の目安について、前年並みの1,097トン、作付率58.2%と決定し、2月上旬に各生産者へ通知したところです。
10 経営所得安定対策等交付金の実績について
令和3年度の経営所得安定対策等交付金は、村全体で国から4,601万円が交付されました。
内訳としては、飼料用米関係では3,712万円、飼料作物関係で457万円、村指定振興作物出荷助成等の産地交付金が432万円となり、12月末までに交付されております。
また、生産者の経営複合化を支援するための村単の作付転換加算交付金についても総額560万円を交付しております。
11 主食用米等作付支援事業について
新型コロナウイルスの影響による需要減少に伴う米価の低迷により稲作農家の収入は減少しておりますが、厳しい状況にあっても、引き続き意欲を持って稲作を続けようとする農業者等に対し、主食米等の種苗を購入する費用の一部を補助することとしております。
内容としては、種籾1㎏当たり300円、水稲苗1枚当たり100円を補助することとし、当初予算へ410万円を計上しております。
12 建設事業関連について
村の建設工事については、社会資本整備総合交付金事業の繰越発注分を除き、今年度予定していたものはすべて完成しております。また、新年度の建設関連事業については、一層の推進を図るため有利な財源を確保しつつ、地区要望等に対応してまいりたいと考えております。
13 成瀬ダム事業関連について
新年度の成瀬ダム建設事業については、令和4年度政府原案において約232億円が示され、先般、衆議院本会議にて議決されたところです。令和4年度においても引き続き、本体工事や取水施設工事、国道付替工事等の進ちょくを図ることとしております。
今冬においては、右岸天端部や右岸段丘部において、基礎処理工の施工や、堤体上流部においてCSGの確認試験を行っています。
また、今年度の秋ごろより堤体打設を開始した河床部については、令和5年度の最盛期に向け今春より打設が本格化していく予定です。なお、堤体打設の状況については、新年度より上流展望台でモニターを通して見られるよう準備しているようです。